特殊清掃とは、一般的な清掃業務とは一線を画す、特別な状況下での清掃作業を指します。この記事では、特殊清掃の仕事内容、その費用、そして特殊清掃業者に求められる資質やスキルについて、詳細に解説してまいります。

自殺、孤独死、重大な事故現場など、一般の清掃では対応できない極めて困難な状況下で行われる特殊清掃は、精神的、肉体的にも非常に高い要求がある仕事です。

この記事を通じて、特殊清掃の具体的な作業内容、それに伴う費用の内訳、そしてこの分野で活躍するプロフェッショナルたちが持つべき資質について、深く理解していただければ幸いです。また、当社パーチェスアンドプランニングは、特殊清掃センター認定の特殊清掃士資格を持つ業者として、皆様のご相談に応じておりますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください。

特殊清掃の仕事内容

特殊清掃は、一般的な家庭やオフィスの清掃とは異なり、主に自殺、孤独死、重大な事故などの現場で行われる清掃作業です。これらの現場では、血液や体液、悪臭、害虫など、一般的な清掃では対応しきれないような特別な状況に直面します。

特殊清掃の仕事内容は、一般的な清掃業務とは大きく異なり、精神的、肉体的にも非常に要求が高いものです。具体的にどのような作業をするのか、特殊清掃の主な仕事内容とその具体例を見ていきましょう。

1. 遺体の処理：

   – 遺体が長期間放置された場合や孤独死、事件現場などで、遺体の処理が必要になることがあります。特殊清掃業者は、遺体を尊重しつつ、適切に袋に詰めたり、運搬したりする作業を行います。遺体は腐敗によって強烈な悪臭を放ち、害虫が発生していることもあるため、専用の防護服を着用して作業を行います。

2. 害虫駆除：

   – 遺体や遺体の残留物が害虫の餌となり、大量に発生することがあります。これらの害虫は、異臭や不快感を与えるだけでなく、感染症の原因にもなるため、特殊清掃では害虫駆除が重要な作業となります。殺虫剤の散布や害虫の捕獲、卵や幼虫の駆除などが行われます。

3. 汚物清掃：

   – 遺体や遺体の残留物から流出する血液や体液、排泄物などを洗浄し、除去する作業です。これらの汚物は強烈な悪臭を放ち、床や壁、家具などに染み込むことがあります。特殊清掃では、これらの汚物を徹底的に洗浄し、除去します。

4. 遺品整理：

   – 故人が残した遺品の整理や処分を行います。遺品には故人の思い出や人格が詰まっているため、遺族にとって精神的に大きな負担となることがあります。特殊清掃業者は、遺族の気持ちを尊重しながら、遺品の整理や処分、供養を行います。

特殊清掃は、遺体や遺体の残留物と向き合うため、作業員には精神的なタフさや人の痛みや悲しみを理解する力、忍耐力、体力、コミュニケーション能力が求められます。作業員は、遺族の気持ちを尊重し、遺体の尊厳を守る気持ちを持って作業を行うことが大切です。このように、特殊清掃は社会的にも大きな役割を果たしており、作業員の貢献は非常に価値のあるものと言えます。

特殊清掃の費用

特殊清掃の費用について詳しくご説明いたします。2022年時点の情報に基づくと、特殊清掃の費用は、清掃する現場の広さ、清掃の難易度、必要な機材や材料、作業にかかる時間、間取りや汚れの程度によって大きく異なります。

一般的には、1Rや1DK程度のワンルームマンションの特殊清掃の費用は、10万円から30万円程度です。

2LDKや3LDKなどの一般的なマンションの特殊清掃の費用は、30万円から50万円程度となります。

一戸建ての特殊清掃の費用は、100万円から200万円程度が相場とされています。遺体の腐敗が進んでいる場合や、害虫が発生している場合、汚れがひどい場合などは、費用が高くなる傾向があります。

特殊清掃には、単に汚れを除去するだけでなく、悪臭の除去、害虫駆除、感染症対策など、多岐にわたる作業が含まれることがあります。これらの追加サービスは、総費用を高める要因となります。

さらに、遺品整理も依頼する場合は、特殊清掃の費用にプラスして、遺品整理の費用もかかります。遺品整理の費用は、遺品の量や種類によって異なりますが、10万円から50万円程度が相場です。

特殊清掃の費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。業者によって、費用やサービス内容が大きく異なるため、比較検討することで、自分に合った業者を見つけることができます。以下に、特殊清掃の費用を抑えるポイントをまとめます。

• 複数の業者から見積もりを取る
• 業者の口コミや評判を調べる
• 作業内容を明確にして見積もりを依頼する
• 業者の資格や経験を確認する

特殊清掃は、遺体や遺体の残留物と向き合う、精神的にも肉体的にもハードな仕事です。そのため、費用だけでなく、業者の信頼性や対応なども考慮して、依頼先を選ぶことが大切です。

特殊清掃費用が安くない理由

特殊清掃は、一般的な清掃作業とは異なり、自殺、孤独死、重大な事故現場など、特別な状況下で必要とされる清掃サービスです。このような現場では、通常の清掃では対応しきれない様々な困難が伴います。これらの困難を適切に処理するためには、専門的な技術、特殊な機材、そして高度な安全管理が求められるため、費用が高くなる傾向にあります。以下では、特殊清掃の費用が高額になる具体的な理由について詳しく解説いたします。

心理的な負担

特殊清掃は、事故や事件、自然死など、様々な状況下で行われるため、作業員は悲惨な現場に直面することが多く、精神的なストレスが非常に高い仕事です。また、現場によっては強い悪臭や、血液や体液などの生物学的危険物質を扱うこともあり、これらに適切に対処するための高い専門知識と技術が求められます。

コミュニケーション能力

遺族は悲しみやショックの中にいることが多く、作業員は適切な言葉選びと配慮を持って接する必要があります。

感染リスク

感染症のリスクが非常に重要な懸念事項となります。このリスクには、主に以下のようなものが含まれます。

・血液媒介病原体

HIV（ヒト免疫不全ウイルス）、HBV（B型肝炎ウイルス）、HCV（C型肝炎ウイルス）など、血液を介して感染する病原体があります。特殊清掃の現場では、血液や体液が存在することが多く、これらの病原体に曝露するリスクがあります。

・空気媒介病原体

結核菌など、空気中に浮遊する病原体による感染リスクも考慮する必要があります。特に、換気が不十分な閉鎖空間での作業では、このリスクが高まります。

・接触感染

MRSA（メチシリン耐性黄色ブドウ球菌）やVRE（バンコマイシン耐性腸球菌）など、物体表面に付着した病原体による感染も懸念されます。清掃対象の物や表面にこれらの病原体が存在する可能性があります。

これらのリスクに対処するためには、適切な個人防護具（PPE）の着用が必須です。これには、防護服、手袋、マスク、場合によってはゴーグルやフェイスシールドなどが含まれます。また、作業後の手洗いや消毒、使用した器具の適切な処理など、厳格な感染防止措置を講じることが重要です。

物理的な負担

上記のような感染症リスクがあるため、重い保護服やマスクを着用し、長時間にわたって集中して作業を行う必要があるため、体力的にも要求される仕事です。

また、清掃する場所が狭い、高所である、または通常の清掃ではない特殊な環境であることも多く、これらの状況は作業をより困難にします

特殊清掃業者に求められるもの

特殊清掃業者に求められるものとその資質について、詳しくご説明いたします。

特殊清掃は、一般的な清掃業務とは異なり、非常に高い専門性と精神的な強さが要求される仕事です。以下に、特に重要な資質やスキルを挙げます。

1. 専門的な知識と技術

   特殊清掃業者は、血液や体液、有害物質の安全な取り扱いに関する知識が必要です。感染症のリスクを理解し、適切な保護具の使用や消毒方法を知っている必要があります。

また、悪臭の原因となる物質の除去や害虫駆除など、特殊な技術が求められます。

2. 精神的な強さと耐性：

   特殊清掃は、死や腐敗と直面することが多く、それに伴う強い悪臭や衝撃的な光景に耐えることが求められます。

このため、精神的な強さと高いストレス耐性が不可欠です。

3. コミュニケーション能力

   遺族や依頼者とのコミュニケーションが重要です。遺族の感情を尊重し、配慮深く対応することが求められます。

また、作業内容や進行状況をわかりやすく説明する能力も必要です。

4. 倫理観と尊厳の尊重

   故人の尊厳を尊重し、倫理的な判断を下すことが重要です。

遺体や遺品に対する敬意を持ち、適切な扱いを心がける必要があります。

5. 体力

   特殊清掃は肉体的にも要求が高い仕事です。

重い機材の運搬や長時間にわたる作業に耐えられる体力が求められます。

6. 継続的な学習と技術の更新

   新しい清掃技術や保護具、消毒方法など、常に最新の情報を取り入れ、技術を更新し続けることが重要です。

特殊清掃業者は、これらの資質を持ち合わせ、高い専門性と人間性を兼ね備えている必要があります。

業者の中には、遺品の持ち出しや、SNSに写真を載せてしまうような業者も少なくありません。

そのような業者へ依頼しないようにするためにも、業者の口コミをしっかり確認するようにしましょう。

当社パーチェスアンドプランニングは、特殊清掃センター認定 特殊清掃士 資格を持つ業者でもあります。

お困りの際は、お気軽にご相談くださいませ。